2017年12月11日月曜日

コラム 119  ()まいに美を求めるのは、人間ばかりと思っていたが >  

よく見れば、野鳥の巣にも昆虫の巣にもそれぞれにある種の美が宿っている。作るにも暮らすにもぐちゃぐちゃなんてことはない。
以前雑誌に〝棲むことにおいて美を求めるのは、人間に与えられた摂理であるかもしれない〟などと書いたが、これは違っていた。
野鳥達の巣は美しいではないか、
昆虫達の巣づくりもそれぞれに美しいではないか、
これらは明らかに与えられた摂理と呼ぶべきものである。
一本の苗木を植える。少々形が悪くとも、光を求め光合成を繰り返しながら次第に形を整えてゆく。これとても自然の摂理と呼ぶ外ないだろう。動物、植物の姿形・色彩も美の摂理の範疇にある。 


ハッと気付かされた。
人間は限り無く崇高な美を求めて已まない存在だが、しかしこれ程ごちゃごちゃの中で平気で暮らせるのも、人間だけではないか・・・・・と。